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高分子化学基礎 II

こちらのページでは学部工業化学科対象の講義「高分子化学基礎 II」で受けた講義に関する質問に対する解説(FAQ)を記載しています。
ご意見などがあれば、aoki_at_photo.polym.kyoto-u.ac.jpまでメールにてご連絡をお願いします(_at_は@に書き換えて下さい)。

Q. 参考書籍について

新高分子化学序論、伊勢典夫・今西幸男・川端季雄・砂本順三・東村敏延・山川裕巳・山本雅英、化学同人、1995
基礎高分子科学、高分子学会編、東京化学同人、2006
高分子化学 II 物性、松下裕秀著、丸善、1996
高分子サイエンス One Point 1 フォトニクスポリマー、高分子学会編、共立出版、2004
高分子サイエンス One Point 2 光ファイバ光学材料、高分子学会編、共立出版、1989
高分子サイエンス One Point 7 高分子の熱物性、高分子学会編、共立出版、1995

Q. 密度法による結晶化度の計算について

試料全体の質量をw、体積をv、密度をρとおく(ρ=w/v)。ここで結晶化度(結晶部分の重量分率)をxとすると、結晶部分の質量はwxと表され、非晶部分はw(1-x)と表される。結晶、非晶の密度をそれぞれρc、ρaとすると、試料全体の体積vは結晶部分の体積と非晶部分の体積の和であるから、
v = wx/ρc + w(1-x)/ρa
と書くことができる。両辺をwで除することで、次式が得られる。

1/ρ = x/ρc + (1-x)/ρa

Q. 非晶状態の密度の測定

100%の非晶状態を作製することのできる試料の場合には直接測定することができる。一方、固体状態では必ず結晶が生成する試料の場合、溶融状態からの外挿で求められる。密度と温度の関係は下図のようになる。溶融状態から温度を低下すると密度が上昇するが、融点以下になると密度が不連続に上昇する(結晶化が起こる)。融点以下の非晶状態の密度を見積もるには、溶融状態の密度の温度依存性を、測定温度までに外挿し、その点での密度の値を非晶の密度ρaとして用いる。


Q. 偏光色のカラーチャート

直交偏光板の間に45度の角度で複屈折媒体を挟んだときの透過高強度 I はレターデーションΓと入射光の波長λと次式で関係づけられる。
I = I0sin2{(Γ/λ)π}
この式から、白色光(様々なλの光が混合)を入射したとき、波長によって透過率が異なることが分かる。このため、透過光は白色ではなく色づいて見えることになる。上の式から明らかなように、透過するあるいは透過しない波長はΓによって決まるため、レターデーションによって透過光の色が異なる。レターデーションと偏光色の関係は下図のようになる(画像をクリックして拡大表示)。